事務所選びのポイント

弁護士さんと言えば、紛争（争い）が生じた場合のプロ。相続手続きで弁護士さんにお願いするのは通常、遺産相続で相続人間に争いが生じた場合です。

相続で争いが起きる前から遺産分割等遺産分けの話し合いを弁護士さんに頼む場合もありますが、相続人の方の心情から考えてそういったケースはごく稀でしょう（そもそも紛争がなければ、相続人同士で話をすれば済む話ですので）。

通常、相続が生じた場合に相続人同士で遺産の分割方法について話し合いをします。そこでどうしても折り合いがつかない場合には調停や裁判手続きといった法的手続きに移行しますが、そういった段階で弁護士さんに相談するケースが多いと思います。

不動産の名義変更や金融機関に対する細かい手続きについてもあまり熟知されていらっしゃらない方も少なくない関係上、相続人間で紛争性がなければ相談する相手として適切ではないかもしれません。

信託銀行は遺言書作成や相続後の「遺産整理業務」といって遺産の承継手続きを取り扱っています。
これは私が銀行員時代からもそうであったように、信託銀行の主力商品の一つとなっています。

ただ、信託銀行の本来の業務は銀行業務ですので、相続手続きが主たる業務ではありません。
また、信託銀行も不正防止の観点から担当者が定期的に変わったりする（通常２～３年で転勤になります）ので、相談時の担当者が転勤等でおらず、故人の本来の意思がうまく伝わっていなかったりすることもあります。

さらに手続き面で言うと、相続税の税務申告や不動産登記手続きなどは提携の税理士・司法書士が行うことになりそれらの費用は信託銀行に支払う費用とは別途個別に必要となることから、一般的に費用が割高になるといわれています。

特に、生命保険会社関連のＦＰの方に生命保険や投資を含め、お金にまつわる相談をしている方もいらっしゃるかと思います。

ご家族の事情や資産について前もって相談していれば、相続の場合でも話が早く進むこともあります。
信頼のおける方でしたら一番の相談者だと思います。

ただ、実際の手続きについてはやはり税理士や司法書士等専門家がやることになります。またそういったＦＰの方で相続実務に詳しい方はあまり多くないと思います。

私もＦＰ資格を保有している関係上、多くのＦＰの知り合いがいますが、ＦＰの方から相続に関する相談を頂くことも多くあります。
ＦＰの方のお仕事上知識は「広く浅く」が基本ですから、実際の相続実務に関し不安を抱えられていらっしゃるＦＰの方も多いです。

そういった意味では、税理士や司法書士等各専門家にパイプを持っているＦＰさんであれば相談相手として良いのかもしれません。
 

行政書士の業務は多岐にわたり、本来は許認可が主な仕事なので、相続に詳しい人はそれほど多くはないかもしれません。

特に、不動産・金融実務に詳しい人はまれかもしれません。

実際、相続財産に不動産があって名義書き換えをしなければならない場合は、法律上、行政書士さんでは対応できませんので、その際は別途司法書士に相続手続きを依頼することになってしまいます。

司法書士の業務も多岐にわたっていますが、各種手続きには詳しいですし、不動産実務は司法書士のメイン業務です。
相続手続きに関する相談相手には一番適していると思います。

ただ、税務的な部分は法律の関係上連携している税理士さんの援助が必要となります。

結論としては、最初に相続の相談をするのは「司法書士」が一番でしょう。
ただ、ある程度の相続税の知識や今後揉めないための総合的な対策をしっかりと検討してもらえるかは各司法書士によって対応がまちまちです。

当事務所では、銀行員時代に培った相続実務経験と、相続税を含むお金の専門知識ＦＰ資格を活かし、皆さんの相続手続きを総合的にサポートいたします。
また相続税が心配になる方には、不動産相続に強い税理士さんと連携しておりますので安心してご相談いただけます。