
【遺産相続発生後の手続】
遺産相続は、だれしも、一生に1度ないし2度は体験するものですが、その経験が少ないゆえに戸惑うことが多々あります。
また、手続には煩雑なものや、多くの書類を揃えなければならない事もあり、出来るだけ早期に準備することが望まれます。
(1)相続人、及び遺産相続財産の確認
遺産整理の話は、49日法要が過ぎたあたりから親族間で話し合いが始まる事が多いようですが、まず、相続人の確認と遺産相続財産の調査が必要となるでしょう。
相続人が妻との子供だけのようなケースでは、相続人の特定などがさほど問題となることはありませんが、お亡くなりになられた方(被相続人)が高齢で兄弟姉妹が相続人になられるようなケースでは、相続人が多数になったり、会った記憶もないような人まで相続人となることがあります。
相続人は、戸籍でお亡くなりになられた方の出生の時から死亡時までを調べ確定させます。
不安な場合は司法書士にお願いされるとよいでしょう。
また、相続財産である土地・建物は、容易に判明しますが、預金、有価証券、生命保険の証書などは同居していても探すのに苦労することが多いようです。
生前より財産の状況をなるべく把握し、保管する場所を決めておいてもらうとよいでしょう。
なお、相続が発生すると葬儀が行れますが、その費用は相続税の計算上、葬式費用として控除の対象になりますので、お通夜、告別式、埋葬などにかかった費用の領収書は、必ず整理し、保存しておくとよいでしょう。
詳しくは専門家にお尋ねください。
(2)遺言書の検認が必要な場合がある。
最近は遺言書を残す方が増えています。
封印のある遺言書が発見された場合は、勝手に開封することはできません。
遺言書は一般的に、自筆証書遺言、公正証書遺言、秘密証書遺言の3種類があります。
公証人に作成してもらう公正証書遺言以外は、家庭裁判所で検認の手続きが必要となります。
公正証書以外の遺言書により遺産相続登記をする場合、検認を受けていないと遺産相続登記ができませんので、遺言書と知らずに開封してしまっても、必ず検認手続きが必要となります。
封印のある遺言書を勝手に開封してしまうと、5万円以下の過料に処せられます。
また、遺言書を破棄したり隠匿すると、相続の欠格事由に該当し相続人になれなくなるため、遺言書の取り扱いは注意を要します。
遺言を発見されましたら、念のため専門家にご相談ください。
(3)銀行口座の凍結
預貯金をしていた方がお亡くなりになられると、その預貯金の口座は、死亡と同時に相続人の共有状態となります。
このため銀行などは、死亡を確認するとその口座から払い出しができないよう、口座からの払い出しをストップさせます。
この場合、事前に準備をしておかないと、当面困るのが葬儀代のお支払い等ではないでしょうか。
銀行は相続人全員からの承諾があれば当然支払いに応じますが、それ以外は基本的に支払いに応じません。
また、借入をしている場合も返済がストップします。
このため、通常借入の利息以外に遅延利息が発生してしまう事があります。
ですので、できるだけすみやかに預金、借入金の一部だけでも遺産分割協議書を作成し、名義変更の手続きを早めたほうがよいでしょう。
借入金の種類などにより取扱いが異なるため、早めに銀行に相談することが重要となります。
(4)相続放棄・又は承認
相続人は、お亡くなりになられた方の財産上の権利義務を承継するため、当然のことながら借入金などのマイナスの財産も引き継ぎます。
お亡くなりになられた方に借入が多いため相続したくない場合は、相続の放棄をすればよいでしょう。
なお、プラスの財産とマイナスの財産とどちらが多いかはっきりしない場合には、プラスの財産を限度としてマイナスの財産を引き継ぐ『限定承認』という方法もあるが、相続人全員で行わなければなりません。
この相続放棄や限定承認は、自分が相続人であることを知ったときから3カ月以内に家庭裁判所に手続きを取らなければなりません。
この3カ月を過ぎると単純承認したものとみなされ、たとえ借入が多かったとしても相続人は承継しなければならないのです。
この相続放棄等は、法的な手続になりますので、ご自身で判断される前に一度専門家にご相談されることをオススメします。
(6)特別代理人の選任
相続人のなかに未成年の方がいらっしゃる場合には、遺産分割協議にあたり、その未成年の方の法定代理人の同意が必要となります。
未成年の方とその法定代理人は、互いに相続人となるケースが多いです。
このような場合には、その未成年者のために第三者である特別代理人を定める必要があるのです。
これは、家庭裁判所に特別代理人の選任申立手続きを行うことになります、手続に通常1ヶ月程度の期間が必要となります。
(9)各財産の名義変更手続
遺産分割協議が成立したら、預金、有価証券、不動産などの名義変更をします。
不動産の遺産相続登記をしないでいる方もいらっしゃいますが、後世代の手続きを面倒にするだけです。
必ず、遺産相続登記で名義変更手続きを行うことをオススメいたします。